2007年5月10日木曜日

悪の組織

ショッカーとはいわゆる『仮面ライダー』の敵である悪の組織で、首領といわれる人物?を中心とした現代で言うところのヴィン・ラディン率いるアルカイダのような武装テロ組織ということになるだろう。様々怪人を使い、悪逆非道を行うのだ。 しかし、このショッカーという組織、アルカイダのような武装テロ組織とは全く異質な性格を持つ組織ではないだろうか? 一.目的とは? 彼らの第一目標は、「世界征服」である。その手段として、怪人を作り、それを中心とした1個小隊により、都市を襲撃する。動きやすい少数精鋭によってテロを行うという現代に通じる手口である。ただ、彼等はその目的を大衆に知らせることなく、行動自体も自らの手で市民に対して直接肉体で攻撃をしている。さらには、彼らの行動は世界征服のためのテロ活動ではなく、第二の目標である「仮面ライダーの処分」を優先しているように思えてしかたがない。むしろ、第一目標が「ライダーの排除」に思える。「世界征服」はただの方便であり、「ライダーの排除」を堂々と謳えない背景があるのではないだろうか? 二、ショッカーという組織の背景 ショッカーという組織はどのように運営されているのだろう?資金源は?その規模は? ショッカーの組織の構成は簡単に述べると、トップが首領、3人の幹部、それぞれの下に怪人、その下に戦闘員というピラミッドの体系を持つ。そして、首領の直属の怪人を製作する研究部がある。おそらく、この他に事務局が存在しているであろう。当然、それぞれに人件費、事務費、研究費などがかかっている。そこで、ひとつ単純な疑問が生じる。 ショッカーの収入源は何? 劇中では少なくとも麻薬や非合法賭博のようなことはしておらず、893的な収入源は無さそうである。彼等は襲撃方法やライダーに対峙した時などあまりにも正々堂々としている。はたして、彼等の収入源とは? ネットで軽く調べてみた所、555に関して、敵は株式会社ということで、何らかの営業利益を上げていたようであるが、ショッカーは悪の秘密結社というだけで、営利活動は表立っては行っていないようである。しかし、注目すべきは怪人を作るということそのものであろう。というのも、ライダーは人間とトノサマバッタを掛け合わせた改造人間である。という大前提がこの秘密を解き明かすキーワードである。 三、ショッカーの活動資金はどこから? ライダー自身改造というよりも、融合に近い。つまり、遺伝子操作を行い造られているということである。ショッカーの研究部門は、改造人間を見る限り、おそらく世界でもトップクラスの遺伝子操作技術を持っているのはほぼ確実である。さらに、彼等の活動していた40年前に既にヒトゲノムは解析が終了していたのだろう。現在の技術水準からみてもとてつもなく高度なDNA操作をしているところから見てもそれは確実である。  つまり、彼等の収入源はその高度なバイオテクノロジーとそれに付随する同じく高度な医療技術に他ならない。彼等が作り出した怪人をみると、世界のあらゆる遺伝子については当時としては考えられないほど解析が進んでいたと思われる。そうでないならば、あれだけの質と量を備えた怪人たちを作り上げることは不可能である。さらに、改造人間たちのメンテナンスを行うためには現代の医療技術の最先端でも賄えるかどうかの超高度な医療技術の確立が不可欠なのだ。劇中を見る限りではよくありがちな一人の天才科学者による技術の独占ではなく、多くの研究員が同じように作業をしている。つまり、彼等の技術は完全に体系化され、確立していると考えて差し支えないだろう。  これらの技術は、現在でも付加価値の高い商品である。さらに、この技術や収集した遺伝子に特許を当時のアメリカで受けていれば、莫大な特許料が半永久的にショッカーに入ることになる。これこそが、ショッカーの収入源であることは確実である。  つまり、ショッカーの研究機関は世界最高の頭脳集団であることがわかる。と同時に、この「悪の秘密結社」の本当の性質も見えてくるのである。 四、本当のショッカーの目的は?  ショッカーの収入源が明らかになると、彼等の不可思議な行動が理解できるのである。  その不可思議な行動とは? ① なぜ、日本のみに小規模な部隊でライダーの周辺のみに小規模な攻撃をしかけるのか? ② なぜ、米軍や自衛隊が動かないのか? ③ なぜ、世界征服を標榜しているにも関わらず宣戦布告を国連に向けてしないのか?  ①に関しては、ライダーのみの脱走であれば、超高度な医療技術支援が行われないのは遺伝子操作の改造人間にとって致命的である。つまり、現在でもそうであるが、このような生物は長期間生存することが出来ないのでわざわざ執拗に狙って排除する必要は無いのである。しかし、一緒に技術支援が行える研究者も脱走した場合、当時としては独占的技術であった超高度医療やバイオテクノロジー他国研究機関や同業者へ渡ってしまう可能性が大きいからである。むしろ、ヘッドハンティングされた研究者がライダーという見本を持ち逃げしたと言い換えるほうが正しい。この研究者とはすなわち、「おやっさん」とその周辺の支援者たちである。彼は、異形の者になったライダーにショッカーは敵だと刷り込ませた。さらに、マインドコントロールを確実とするために恋人役を立てた。 そして、注目すべきはライダーはオプションも含めて極めて戦闘的な攻撃力が高い改造人間であるということである。この人方兵器は性能については資料が公表されているのでそちらを見ていただくとして、最大の特徴は人間に完全に擬態することが出来るということなのである。10体も生産し、暗殺部隊を作れば完全犯罪が可能であると同時に最強の少数精鋭部隊である。つまり、とてつもない付加価値のある兵器であり、商品なのである。 この研究者は当然テストやデモンストレーションをしたいと考える。当然やってくるであろう追っ手を使えば、市街地での戦闘やその他の地形での戦闘などあらゆる場面でのテストやデモンストレーションが可能であるのである。さらに、確実性を増すため、刷り込みや、マインドコントロール、さらなるDNA操作により、ライダーを自分のコントロール下に置くことで顧客を招待しやすいし、自らの活動もしやすい。 ここで重要なのが、ショッカーはバイオテクノロジーで営利活動を行っている点である。彼等は武装戦闘集団というよりもバイオ産業と医療産業のコングロマリットであるのだ。それは、彼等が対ライダー戦に投入した怪人たちを見れば明らかなように、極めて戦闘的ではないのである。何かしらに突出しているものの、ライダーのような純戦闘兵器ではないのである。それを、戦闘員と呼ばれる人間たちで補っているのである。ライダーの性能を考える限り、局地戦向けであるので、これに対し、同じような作戦では勝てるわけが無いのである。しかし、これだけの頭脳集団であるわけであるので、これ自体も想定の範囲内である可能性もある。先述の研究者がヘッドハンティングされ脱走したと考えるのではなく、「ライダーのテストに持ち出した」と考えたならば、②、③についても答えがおのずと出てくるのである。 つまり、②は顧客なのだ!これだけの兵器を冷戦の真っ只中の米軍が欲しがらない訳がないのである。当然、バイオ兵器・産業で莫大な利益を得ている彼等は、西、東とシーソーゲームをするだけで、さらに巨大な利権や利益を得ることが出来るのであるから、③の宣戦布告など必要ないのである。そう、既に彼等の世界征服は終了しているのだ。 五、ショッカーとはいったい何だったのだろうか?  先述のことを踏まえて改めて考えると、いわゆるショッカーという一般に知られた首領を中心とし、ライダーによって滅ぼされた組織は唯の実験部隊であり、ライダーという商品のテスト兼デモンストレーションを行うためのショッカーの一部門に過ぎず、ライダーの行動は閉ざされた世界の中での行動であり、彼は巧みな情報操作で彼等のシナリオの中でだけ行動していたのだ。  そうなると、ショッカーのトップはいったい?  それは、日本と同じように生体兵器(スパイダーマン、X-MEN、タートルズ等)のテストが盛んなアメリカに答えがある。つまり、ショッカーとはアメリカを中心とする軍産複合体のバイオ産業部門であるといえる。

0 件のコメント: